ジオ(地球)に親しみ、ジオを学ぶ旅、ジオツーリズムを楽しむ場所、それがジオパーク。現在日本では36地域が「日本ジオパーク」に認定され、さらに世界が認定した高品質の「世界ジオパーク」には日本から7地域が認定されています。今回は日本ジオパークである霧島ジオパークの魅力を「みやこんじょジオガイドクラブ」の東 多佳道さんとともに紹介します。

 県内で一番早く重要生息地に指定されたのが「五ヶ所高原重要生息地」(平成19年11月29日指定)です。熊本県高森町との県境に位置し、平均標高は800m、東側には1756mの祖母山がそびえます。ここでは、日本の南限域とされる「ヒメユリ」(県指定希少野生動植物)」をはじめ、県内では三秀台のみに自生する「ツクシクガイソウ」、高原に広く自生している「アソノコギリソウ」、平成26年10月に県の指定希少野生動植物に指定された蝶である「ゴマシジミ」や「ヒメシロチョウ」など、28種の宮崎県レッドリスト掲載種が確認されています。
 この五ヶ所高原で野生動植物の保護活動を行っているのが「五ヶ所高原ゴマ姫の草原を守る会」です。平成25年に立ち上げた会ですが、前身として近くに住む自然保護推進員の方々による長年の活動があり、活動の幅を広げるため会員を募集し会の発足に至りました。「ゴマ姫」とは、五ヶ所高原にしか生息しないという「ゴマシジミ」「ヒメシロチョウ」「ヒメユリ」の頭の部分からつけたもので、会員は23名です。「具体的には希少植物の移植、花の時期には盗掘されないように監視活動、調査研究の補助も受けております。宮崎昆虫調査研究会の方々にも入ってもらい、専門的な立場から指導もしていただいています」と会長の甲斐英明さん。「ゴマシジミはワレモコウの花に産卵して繁殖しますが、ワレモコウが鹿の食害で最近激減しています。ゴマシジミを守るために、シカ対策用ネットを張るなど、場合に応じた対応をしています」と語ります。
 フォレストピアストラクター(県内の森林文化の案内役)としても活躍する甲斐さんですが、「これからは五ヶ所高原の自然を地場産業に育て、交流人口を増やしていけたら」と先を見据えています。

 平成25年12月に指定された鳥屋岳重要生息地は、「高千穂森の会」代表の興梠幸男さんの所有地になります。興梠さんは長年林業を生業とする傍ら、鳥屋岳の維持管理にも力を注いできました。自らが植えたという杉の木は枝打ちや草刈、間引きなど行き届いた手入れにより大きく育ち、木々の間は希少な植物が多数生息する場所になりました。鳥屋岳には、宮崎県レッドリストに掲載されている植物が10種確認されており、中でも「クマガイソウ(県指定希少野生動植物)」は1000本くらいの群生地が5〜6カ所もあります。また、宮崎県が南限域とされる「キレンゲショウマ」も多数群生していることで知られています。「鳥屋岳では希少な植物はもちろん、植物の種類が多いのも特徴です。木も180種あり、しゃくなげ園やわさびの森、山菜の森などもあります」と興梠さん。山頂まで作業道を作り、トレッキングにも最適な環境で気軽に山歩きを楽しめるようにしてあります。
 高千穂森の会の目的は「鳥屋岳悠久の森づくり」。そのため左記のような内容に取り組んでいます。
 ①水を貯え災害に強い水源の森づくり
 ②優良大径材の生産の森づくり
 ③生態系を育む生命の森づくり
 ④心身ともにリフレッシュできる癒しの森づくり
 ⑤次世代を担う子供たちのための遊学の森づくり

 小学生の受け入れや、植林、山菜採り・藍染体験をはじめ、五ヶ瀬川源流に植林をする活動なども行なっています。クマガイソウやキレンゲショウマの開花時期には観賞会を設定し、来場者の案内からお茶のおもてなしなどもこなします。「九州各県から昨年は600名程見に来られました。この時期だけは参加費をいただいていますが、これはすべて環境保全に利用させてもらっています」と興梠さん。「これからは子どもたちに森づくりの大切さを教えていきたい」と意欲的です。

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