ecoみやざき 環境ひむかNo.71 2008秋号 HOME 環境保全 自然保護
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宮崎県北部 山からの「いい水」が原点 清流五ヶ瀬川

 県北部を横断する「五ヶ瀬川」。生き物が多く、水のきれいな川として知られ、飲み水として、農業・工業用水として、人々の暮らしのすぐそばにある大切な河川です。川を守るために、川で遊び、川を知る。そんな活動も続けられています。


 五ヶ瀬町向坂山を源流とする五ヶ瀬川は、熊本、大分にまたがり、河口では人口13万人の工業都市・延岡市を流れる一級河川です。幹川の延長は106キロメートル。流域面積は1820平方キロメートルで九州で4番目に広い川です。
 五ヶ瀬川の一番の特徴は水のきれいさにあります。その理由は、阿蘇の火山灰土壌、火成岩が多い祖母山・傾山、大崩山などから102本もの支流が流れ込んでいること。火山性の土壌でろ過された水は、いわば天然のミネラルウォーターで、地中から湧き出す伏流水も多く流れ込んでいます。
 「五ヶ瀬川がきれいなのは途中でいい水がたくさん入ってくるからですよ。昔、切り出した木材をイカダで運ぶ人たちはいい水があるところを知っていて、わっぱめしで弁当を食べた後、ふたで川の水をすくって飲んだそうです」と語るのは、五ヶ瀬川河口にある地域防災センター「リバーパル五ヶ瀬川」を拠点に活動するNPO法人五ヶ瀬川流域ネットワークの土井裕子(どいゆうこ)さん。
 毎年夏に国土交通省の呼びかけで全国一斉に実施される水生生物調査では、五ヶ瀬川水系の水質階級はもっともきれいな「1」を続けています。市街地の大瀬橋付近でも同様の結果で、橋からでも浅瀬を泳ぐ魚の影が見えます。
 五ヶ瀬川を代表する魚のひとつがアユ。特に秋から冬にかけて、川幅いっぱいに仕掛けた「やな」で、産卵のために川を下るアユを捕る「あゆやな」は延岡の秋の風物詩です。
 ほかにもスズキやコイ科のオイカワ、ウナギ、上流・支流ではヤマメ、ニジマスなど60種以上の魚類が生息しています。中には絶滅が危惧されるアカメもいます。アカメは体長が1mにもなる巨大魚で、宮崎県と高知県の大河川で繁殖が確認されています。まだ生態調査中で、河口付近のアマモの群落で稚魚が育つことがわかっています。
五ヶ瀬川河口付近でよく見られるカニ アカメが育つ五ヶ瀬川河口付近には大きな干潟が広がっています。カニや貝類、茂るヨシに営巣したり餌を求める鳥類と、豊富な種類の生き物たちの楽園です。  五ヶ瀬川水系は度重なる水害に見舞われてきました。その歴史を経て、なお市街地のそばにこの自然が残されているのです。川に親しみ、自然の恵みを大切に受け継いだ人々の思いが感じられます。


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