川や海にやさしい暮らしをはじめましょう

地球上のわずかな水で生きる私たち

 地球上にある水のうち、約97.5%は海水で、淡水は約2.5%に過ぎません。しかも、淡水の多くは氷河や地下水で、私たちが利用しやすい河川水や湖沼水などの形で存在する水は、地球上のわずか0. 01%なのです。

出典:日本の水資源の現況 (https://ww-w.mlit.go.jp/common/001371908.pdf)

巡りめぐる水の循環

 海や川の水は、太陽にあたためられることで、一部が水蒸気となって空へ昇ります。その水蒸気は上空で冷やされて雲をつくり、やがて雨や雪となって再び地上へ降り注ぎます。 このように水は姿を変え、大気と地表の間を循環しているのです。

宮崎県の川はキレイなの?

 宮崎県には、九州山地から太平洋に注ぐ多くの川が存在します。しかし、人口や地域の産業によって川の汚れは大きく異なり、上流と下流でも環境に差が出ます。そこで県では、海や川の汚れの状況を監視するため、水質調査を実施しています。
 水の汚れを調べる目安として、「BOD(生物化学的酸素要求量)」や「COD(化学的酸素要求量)」という指標が使われています。これは、水中の汚れを分解するために使われる酸素量を示すもので、宮崎県ではこの指標などを使い、公共用水域(河川や海域など)の水質を監視していま す。水質はおおむね良好の状態ですが、現在も環境基準を達成していない水域があります。

汚染の原因は私たちの生活に!

 川が汚れる原因の大半は、私たちの生活に由来します。工場・事業場からは工業排水などが、そして私たちの家庭からは生活排水が排出され、川の環境に大きな影響を与えています。中でも、生活排水については私たち一人ひとりの意識や取組で改善できることが多く、これからの「川を汚さないための取組」が重要になっています。

生活排水とは?

 1人が1日に使う水の量は250リットルにのぼり(※)、台所やトイレ、風呂、洗濯など毎日多くの生活排水を排出しています。このうち、トイレから出る排水を「し尿」、その他を「生活(雑)排水」といいます。
 生活排水は処理施設を通すことで浄化できますが、浄化のためには大量の水が使われるため、やはり環境には大きな負荷がかかります。
 普段、なにげなく流しているものが排水の汚れにつながるため、例えば、洗濯では適量の洗剤を使う、食器の油汚れは拭いてから洗うなど、ちょっとした工夫が必要です。

※資料『生活排水読本』(環境省)

生活排水の処理施設とは?

 生活排水の処理施設には、下水道や合併処理浄化槽などがあります。処理施設が整備されていないと、汚れたままの水が川に排出されることになるため、宮崎県では地域の状況に応じた処理施設の整備を計画的に進めています。

県の生活排水処理状況

 令和元年度末の生活排水処理率(※)は82%でした。これは、全国平均の87%(平成30年度末)と比較して5ポイント低い値となっています。
 生活排水処理率は年々向上してきているものの、まだ、宮崎県民の約5分の1が生活雑排水を未処理のまま河川等に放流しているということになります。  
※生活排水処理率
 地域の全人口に対して、生活排水が下水道や合併処理浄化槽等の生活排水処理施設によって処理されている人口の割合を言います。

地域の状況にあわせた生活排水の処理を進めよう

 生活排水の処理施設には、2タイプあります。1つは集合処理施設で、都市の公共下水道、農村や漁村に整備される集落排水施設などがあります。もう1つは、個別処理の合併処理浄化槽です。
 集合処理施設の場合、施設が整備されても接続されなければ、排水は処理されません。集合処理施設の整備地域にお住まいの皆さまは、早期の接続をお願いします。
 また、個別処理には、合併処理浄化槽以外に単独処理浄化槽やくみ取り便槽があります。これらは、風呂や台所などの生活雑排水をそのまま流すことになり、河川などの水質悪化につながります。生活雑排水も含めたすべての排水を処理する合併処理浄化槽に転換しましょう。

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