浄化槽維持管理のノウハウを活かしリサイクル堆肥を製造

最後に残った汚泥が原料

産業廃棄物、一般廃棄物収集運搬処理処分業務などを行っている株式会社保全(本社・宮崎市)では、有機汚泥(食品工業汚泥、し尿汚泥)を利用したリサイクル活性堆肥の製造販売を行っている。

同社は創業当時浄化槽の維持管理を主な事業としていたが、その後本社がある宮崎市の下水道普及率が80%以上になり(平成21年度末下水道処理人口普及率/宮崎県。宮崎市は81.8%)、平成9年頃から浄化槽維持管理以外への事業展開を図っていた。そこで新たな事業として取り組んだのが汚泥を利用した堆肥製造だった

食品工業汚水やし尿は、浄化過程で微生物を利用しており(有機廃水処理)、浄化した水は放流されていく。しかし、最後にどうしても残るのが汚泥で、そのほとんどは、焼却、埋め立てされているのが現状。

微生物の管理がカギ

事業展開を図る同社は10年ほど前、高岡町(当時)にあった堆肥工場の施設を買い取り、汚泥から水分を絞った「圧縮ケーキ」と呼ばれる有機汚泥とバーク(樹皮)を原料に堆肥製造に着手。同社はもともと浄化槽の維持管理で培った微生物を管理して活性化させるノウハウがあり、独自の手法で堆肥化に成功した。

堆肥工場では、まず運び込まれた汚泥にバークを混ぜながら乾燥させ、次の熟成ヤードでは微生物を活性化させるために空気を送り込む方法を取っている。「まさに浄化槽の中で微生物を活性化させるのと同じ考え方です」と同社取締役の新見和美さん。 ここで3〜4カ月かけて熟成させる間、堆肥の中は70度まで温度が上がる。これによって、雑菌が死滅し、熟成した堆肥は臭いもほとんどなくさらさらとした形状になる。

農家にも好評。利用増を図る

完成した堆肥は「活性堆肥さくら」の名前で販売されており、JAを通じて県内各地の農家で利用されている。特に柑橘類など葉物の苗床などに利用され、好評だという。 「リサイクル堆肥は浄化処理の最後に残った汚泥が原料で、さらに土壌に混ぜることで土も活性化します。環境にやさしい循環型の堆肥ですので、もっと利用が増えることが願いです」と新見さん。 活性堆肥さくらは、1袋18kg210円で1袋から購入可能。