猪八重渓谷セラピーロードはカシやシイ、タブなどの豊かな常緑広葉樹林と渓谷の美しい滝群からなる風景林です。五重の滝までの片道約3㎞(約90分)の遊歩道は絶好のハイキングコースになっています。(※1)このセラピーロードは約300種ものコケの宝庫としても知られています。渓谷内は一定の湿度と温度が保たれているため、貴重なコケ類が生育しているのです。イチイガシやシイ、ヤマビワなどに着生する世界でも珍しいコケも分布しています。猪八重渓谷が注目されるようになったのには約70年前に創設された世界で唯一のコケ専門研究所である「服部植物研究所」の存在があります。創設者の服部新佐博士が渓谷内のコケ類を研究解明し発表したことで世界的に知られるようになりました。 現在の服部植物研究所の片桐知之所長は「渓谷内には絶滅危惧種が多数生息し、国内に2~3ヶ所しか生育していないものもあります。しかもコケを目の高さで間近に見ることができます。」と話します。そのうちの1つが「カクレゴケ」。樹上に見られる金緑色の大型のコケです。また、湿度の高い渓流沿いの生きている葉に着生する絶滅危惧種の「カビゴケ」も見ることができます。ほかにも、一万円札に描かれている伝説の鳥「鳳凰」の羽に似ていることから「ホウオウゴケ」と名付けられたコケなど名前や形がユニークなコケも数多くあります。

注1 2018年1月現在、台風の被害で5号橋(約2㎞地点)までしか行くことができません。(2018年3月開通予定)


 NPO法人「ごんはる」で森林セラピストをしている谷口由利子さんは「コケに触れ、ルーペで見ると、そこには緑色のコケの世界が広がり、コケの花と呼ばれる胞子体などを見ることができます。小さな中にも生命が満ちていて癒されますよ。」と話します。セラピーロードは現在5号橋までしか行くことができませんが、5号橋まででたくさんのコケに出会うことができます。

 林業が盛んだった60年前には人が生活していた森でもあり、トロッコや水力発電の跡などもあります。そのほか、1100万年前は海底だったことから貝の化石などもあります。また、希少な樹木や珍しいキノコなど多くの動植物が生息生育していて渓谷内は生命力があふれています。

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