PCBとは、ポリ塩化ビフェニルの略で、人工的につくられた主に油状の化学物質です。電気を通しにくい、燃えにくい、熱によって分解されにくいなどの特徴があります。こうした特性から昔は、変圧器やコンデンサー(蓄電器)に利用され、これらの電気機器は工場やビル、電車などに使われていました。ところが、PCBは重大な健康被害につながる強い毒性を持つことが明らかになりました。そのため日本では45年前に製造が禁止され、輸入もできません。PCBを使う電気機器の多くは回収されているものの、古いビルや施設にはまだ残されている可能性があります。
 PCBは環境下で分解されにくいため、大気や海を移動し、極地にまで到達してしまいます。反対に脂肪には溶けやすい性質があるため、口に入ってしまうと人や動物の体に蓄積しやすいのです。そのため食べ物を介して、知らない間に取り込む危険性があります。実際に、PCBとは無縁の生活をするイヌイットの人々やアザラシ、クジラの体内にもその蓄積があったと報告されています。もしPCBが体内に入ると、中毒症状を引き起こします。目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着などから始まり、座瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが起こります。日本ではPCBによる食中毒事件「カネミ油症事件」を受けて1972年に製造が禁止されました。国際的には2001年、PCBなど残留性有機汚染物質の廃絶や削減などをめざす「POPs条約」が採択され、欧米ではその処理が進んでいます。

*参考資料 環境省広報誌 『エコジン 2017年10-11月号』

 
         
    

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